サックスのリードを吹きやすくする方法

みなさまこんにちは、もつでございます。

さて本日は、「サックスのリードを吹きやすくする方法」というテーマでブログを書いていきたいと思います。

ケーンという天然素材でできたリードを使っているサックス奏者は、みんな一度はリードで悩んだことがあるのではないでしょうか。これが吹きやすい、吹きにくいなどなど…

そして1箱4000円近くするのに、テナーやバリトンに至っては5枚しか入っておらず、しかも吹きやすいリードが1枚しかないとなると、サックスを吹くのが嫌になってくるかもしれません…

リードの悩みを少しでも減らして、シンプルにサックスを楽しみたいですよね。そんな人のために、私なりのリードとの向き合い方をご紹介します。

夢は見ないこと

身も蓋もないことを言いますが、「これをすると、どんなハズレリードも吹きやすいリードに早変わり!」という方法はありません。そりゃそうです、そんな方法あったらとっくの昔に誰かが紹介して、みんな使っているはずです。

でも現実はそうじゃない、そんなストレスレスなハッピーサックスライフではないですよね。つまり、そういうことですね。「簡単にリードを吹きやすくする方法」なんてのはないんですね…。

しかし、「全てのリードを良い状態で保管する方法」と「ハズレをましにする方法」はあります。でも夢は見すぎないこと!もともと持っているポテンシャルを劇的に改善するのは難しいです。

まずリードの管理方法をチェック!

①開封したてのリードを長く使っていないか

これは聞いたことがある人も多いかもしれません。理由はふたつあり、
新しいリードは水分をグングン吸うため、リードに過剰なほど水分が入ってしまう
(水浸しリードになる)
吹きにくいリードでも、長く使うと自分の奏法をそのリードに合わせてしまう。
この二つの理由のためだと思います。

まず①について。リードは湿度の急激な変化が苦手で、使ったリードをそのままにしたり、マウスピースにつけたままキャップをせず放置すると、急激な乾燥によりリードがダメージを受けます。

同様に、新しく水分を吸いやすい状態のリードを長く吹くと、吹けば吹くほど水分をリードが吸収し水分を吸いすぎてしまうため、長く吹かない方が良いとされています。

そして②は意外と知られていないかもしれません。奏法ってプロアマ問わず大なり小なりブレるものです。なので吹きにくいリードでも、数分吹くと自分の奏法がそのリードに合わせたものとなってしまい、「あれ、吹きやすいな?」なんて思ってしまうのです。

ダメなリードでもしばらく吹くと馴染んで良くなることがある、という方もいます。もちろんそういうケースが無くもないですが、自分の奏法が変わっている場合も多いですね。

という訳で、リードのためにも自分のためにも、1枚のリードを長く使うのは基本的にやめましょう。

②湿度変化があまりないように管理しているか

①でも書いたように、リードは急激な湿度変化が苦手です。

使ったリードをその辺においておいたり、マウスピースに着けたままキャップをつけず放置したり、プラケースに入れたリードを箱に入れて、その箱を乾燥した倉庫などに放置したりすると、急激な乾燥によって、最悪リードが割れます。

特に日本の秋~冬はかなり乾燥していますから、例えばジップロックに入れたり、ダダリオの『リードヴァイタライザー』を使うなどして湿度変化があまりないようにしてあげる必要があります。

『リードヴァイタライザー』は湿度調整剤で、例えばジップロックにリードとこのヴァイタライザーを一緒に入れておくと、任意の湿度にジップロック内を保ってくれる便利アイテムです。

ヴァイタライザー

ダダリオから販売されているヴァイタライザーは「Boveda」の湿度調整剤です。元々は葉巻などを保存するためのもので、購入する際も葉巻用を10パックまとめ買いした方がお得なので、おすすめ!

(引用)amazon.jp
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③過度に保湿していないか

②でリードヴァイタライザーをおススメしておいてあれなのですが、ヴァイタライザーを使ったらリードがカビてしまった、なんて経験はありませんか?(意外とあるあるだったりします)

ヴァイタライザーは湿度を一定に保ってくれる便利グッズなのですが、夏場などはむしろ湿度が高すぎてしまうことがあります。湿度の高い状態で保存すると、リードが水気を含みすぎた状態になり、「重い・吹きにくい」と感じることがあります。

あくまでヴァイタライザーも補助道具として、状況を見ながら使っていきましょう。

物理的なダメージと、湿度変化でのダメージに注意すれば大丈夫!

個人的におすすめのヴァイタライザー

ダダリオは72%のヴァイタライザーのみ販売していますが、日本で使うには湿度が高すぎると感じます。個人的には、60%代の方がおすすめです(昔は58%・73%・84%の3種類が発売されていましたね)。

引用:amazon.jp
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ハズレリードをましにする方法

①反応が悪い、重いリード

やすりで削る

これは有名な方法ですね。やり方としては、まずリードを右・左にそれぞれほんの少しずらして吹きます。例えば右にずらした時の方がより吹きにくい場合は、右が硬めということになるので、右側をほんの少しだけ削ります。削るのは、マウスピースに接する面の方を削るのが良いかと思います。

他にも色々こまかく削る方法があるようですが、私はあまり詳しくないので、もっと知りたい方は『サクソフォーン上達法 / デビッド・リーブマン』をご覧ください。

削るものは紙やすりでも充分ですし、バンドーレンの『リードサーフェイサー&スティック』を使うのもよいと思います。

リードマイスターを試してみる

こちらは、専用の機械でリードを測定して、バランスがとれるように筋に切り込みを入れるというものだそうです。お持ちの方が近くにいらっしゃったら、試してみるのもいいかも?

番手を見直す

どれも重くて…という場合は、そもそもそのセッティングが自分に合っていないだけかもしれません。例えば3半を使っている方は3をしばらく使ってみるなど、セッティングを見直してみましょう。

ヴァンドーレン リードリサーフェイサー&スティック

ヴァンドーレンの高級やすり。紙やすりでも十分ですが、使い捨てやすりが嫌な方におすすめ。

引用:amazon.jp
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②柔らかすぎるリード

リードカッターで先端を切る

これも定番ですね。リードが柔らかかった場合、また使用しすぎてへたったリードは、リードカッターで先端を少しだけ切ると、吹奏感がしっかりするようです。

ヴァイタライザーを使う

先程書いた通り、ヴァイタライザーを使うと若干吹奏感が重くなるのですが、これを利用します。軽いリード専用ジップロックに柔らかい・軽いリードとヴァイタライザーを入れておけば、ちょっと吹奏感が重たくなって丁度良くなる事があります。

削る、切るなどの加工をすると、リードのへたりは早くなる傾向があります。
少しでも吹きやすいと感じるなら、欲を出さずそのまま使った方が無難です。

ヴァンドーレンの純正カッター

リードカッターは色々と販売されていますが、先端のカーブを変えたくない方は、メーカー純正が一番です。ヴァンドーレン純正のカッターは高級ですが、こだわりたい方にはおすすめ!

アルト用(Traditional、V12、JAVA)はRT21です。それ以外は受注生産だそうです。

引用:ノナカミュージックハウス
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d参考動画

こちら、ジャズクラリネット界のレジェンド、北村英治さんのリード調整法です。もう雰囲気からしてとっても素敵!

おわりに

いかがでしたでしょうか!リードを吹きやすくする方法でした。まとめると

①リードを物理的ダメージ、湿度変化によるダメージから守る

②加工だけでなく、使っているリードの種類や番手を見直してみる

③状況をみながら、湿度調整剤なども使ってみる。

④加工するとヘタりは早くなる傾向があるので、ちょっとでも吹きやすければそのままが無難。

このあたりが大事かなと思います。これまでの私の経験をばーっと書きましたのでなかなか長くなってしまいましたが、参考になれば幸いです。

ではまた!

2件のコメント

サックスリードの湿度管理、リードの鳴りに大きく影響しますよね。リードの保存環境の相対湿度が50%以下になるとリードはカラカラに乾燥し、舐めて吹くと硬い感じで音も悪くウォームアップに時間がかかります。ですので、水で濡らして使ってます。吹奏感も良くリードが鳴っている時、リードを外して見るとリード平坦部がシットリと濡れています(適切に湿度管理されているリードならベチャベチャになる事は無いです)。使用後は適切な湿度で保管してます。
リードの湿度管理法は使用環境の湿度でかなり変わるので、一概に”これ”とは言えませんが、使用時にリードに適切な湿度が必要な事は間違いなく、リードが鳴らない原因の多くは湿度不足の場合が多い印象です。

コメントありがとうございます!
水に濡らすのは、ダブルリードだとよくある光景ですが、
シングルリードのサックスやクラリネットだとやっている方は少ないですね。

しかし、日本は冬場の乾燥が凄いので、確かに水で濡らして使用するのも良いかもしれません。
仰るとおり環境に左右されますし、日本のように季節による変化が大きい場合は、
水につけるのも含めて柔軟に対策する必要がありますね。
私もまた色々試してみたいと思います!

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mo2
音大卒業後、某企業でレッスンや楽器販売などを行う。 2022年からライター兼ミュージシャンとして独立。 「おひとりさまスクエアシリーズ」 「実力でぶん殴られたシリーズ」などを投稿