『VANDOREN V21』は、ほんとに色々なジャンルで使えるのか

v21

ほんとだ、めちゃくちゃ汎用性高いやんけ。早く教えてよ。

みなさまこんにちは、もつでございます。

さて本日は、VANDORENのサックスリードの中では最若手、『V21』のレビューをしていきたいと思います。

このV21、正直そこまでめっちゃ流行ってる感じはしないですね…。

クラシックは結局みんな青箱使ってるし、ジャズ・フュージョンとかは種類多すぎるし、リコ(ダダリオ)にも結構流れてるしで、あんまり見かけません…。いや居るは居るんですけどね。

ただ久々に使ってみたら以外と良かったので、是非このレビューを参考に、みなさんも使ってみてください!

V21のざっくり概要

まずバンドーレン社の公式から

どんなジャンルにも、どんなマウスピースにも対応し、最高の結果をもたらしてくれる優れたリードです。 サクソフォン用としては初めての、ヒールを狭くした円錐形にデザインされた、アンファイルド・リードです。 透明感があり、非常にあたたかく芯のある音で、音の伸びもずば抜けており、正確なアーティキュレーションと、間隔の広い跳躍も容易に演奏できます。

VANDOREN 日本公式ページより

という訳で、随分と褒めるな。めちゃくちゃ褒めるから逆に怪しいレベルです。


しかし実際吹いてみると、確かに吹きやすいですし、ジャズ系のマウスピースでもクラシック系のマウスピースでもかなり良かったです。

このリードの特徴のひとつに、アンファイルドカットがあります。つまりジャズで好まれるカット方法でありつつ、クラシックでも使えると。その辺が売りなのですが、正直どっちつかずな印象も与えてしまったのかもしれません。

世間の評判は?

世間、といっても私はもともとクラシック畑の人なので、クラシック寄りになってしまいますが。

クラシック界隈では、流行りませんでした!笑

というのも、今までの『traditional』『V12』が強すぎましたね。

わざわざV21に慣れていこうという人も少なかったし、V21のような吹奏感、音色が好きな人はもともとリコを使っていました。なので比較的軽めなV21を好んで使う人は本当に少なかったですね。

多分、ジャズ・フュージョン系の人もバンドーレンユーザーはジャバを使っている人が多かったので、やっぱりV21に移行した人は少なかったんじゃないかなぁ。

発売当初は箱が青いというのも相まって、クラシック向けっぽい印象を受けてしまいましたし。

というわけで、これまでのジャバ、青箱、銀箱人気を覆すような人気にはならなかった印象ですね。

4種類のマウスピースで吹いてみましたよ!

今回使用したマウスピースはこちら!

左から
①AP3 / VANDOREN
②Concept / Selmer
③5MM / MEYER
④Metal HL 2018 7 / Gottsu
です。クラシック、ジャズラバー、メタルと幅広く使いました。

結論から申し上げますと、確かにどんなマウスピース、ジャンルでも使える万能プレイヤーでした。これはすごいです。

今まで私はマウスピースの開きなどに合わせてリードを変えていて、それはそれは大変だったのですが、上手くはまればこれだけで対応できそうです。

音はアンファイルドなのに明るめですし、立ち上がりも良好です。そこがちょっと不思議でしたね。アンファイルドということを忘れる感じの吹奏感でした。

ちなみに、今回は3番を使用しました。

まずはクラシック系2種から

バンドーレンの新しいマウスピース『AP3』。この子はバンドーレンらしいはっきりとした芯と、ほどよい響き・音色の太さがあるマウスピースです。

セルマーほどの響きはやっぱりありません。というかバンドーレンにそこを求めている人はあんまりいないでしょうからね。

さてこのマウスピースは、【バンドーレン×バンドーレン】なのでもちろん相性はよかったです。ですがAP3はそこまで音色が作りやすいマウスピースでもないので、3だとちょっと音が散り気味になる傾向はありました。

ただし私は重いセッティングが好きな人間なので、基本的にはその辺も問題ないのではないでしょうか。

そして『Concept』。これはかなり良いですよ!コンセプトは丸く太い音色が特徴なのですが、個人的に太すぎるというか、音の芯が作りにくいというか。ぼやっとした音色になってしまって苦労するマウスピースだったんですね。

でもこのV21は明るく抜けの良い音色を持っていますから、凄くバランスが良い。今までコンセプトに青箱などを使っていて、当たりはずれが激しいとか、音が暗い・こもりやすいと言う方には是非このリードは試してみていただきたいですね。

続いてジャズラバーの王道へ

メイヤーの5MM。これはもうジャズ系をやった人なら吹いたことない人いないのではというマウスピースですね。

これが驚きました!!

基本、クラシックで良いなーというリードはジャズ系だと腰が強くてなかなか、となってしまうのですが、これはそんなことはありません。大変吹きやすいですね。

緑箱とかよりは明るくパリっと出る印象です。赤や緑よりは吹奏感は軽めです。

多分、どジャズってよりは最近の音楽もやる方にはいいかもしれません。

メタルはどうかというと…

いいんですねぇ、これが…。困りました。

クラシックでもいけるようなリードなので、コントロールはしやすいです。難しくて音域によって吹奏感がすごい変わるリード、あっちゃこっちゃ行ってしまうリードってあるのですが、それがないです。

しかし明るいキャラクターで抜けも良いので、バキバキ鳴ってくれます。コントロールしやすくて華やか。良いですね。

総評

という訳で、長々書いていきましたが結論は以下の通り

【総評】
●明るく抜けが良く、立ち上がりも良い。吹きやすい。
●ただ比較的軽めの吹奏感なので、もしかしたら寿命は短めかも。以前試したときはトラディショナルやV12のような3か月くらい育っていく感じはなかった。


【こんな人におすすめ】
●レゼルヴ(ダダリオ)だとちょっと物足りない、青箱だと音がまろやか・太すぎる方
●緑箱より赤箱派の方(個体差かもしれないけど、緑より赤の方がV21には近い印象)


【こんな人は微妙かも】
●腰がしっかりしたリードが好きな方、重たいセッティングを好む方
●緑箱の暗いノイジーな音色が好きな方

という感じです。明るくシャキっとしたリードが好きな方にはおすすめだと思います。

私はクラシックもジャズもフュージョンもファンクも…という人なので、一種類でまとめるとなるとこれ一択になるでしょうね。それくらい万能でした。

しかし逆に言うと、めちゃくちゃこういう音色を求める人にはぴったり!みたいな、ずば抜けた個性は正直ないんですね。そこが万能タイプの難しいところ。

でも本当に良いリードです。みなさんも是非お試しあれ!

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mo2
音大卒業後、某企業でレッスンや楽器販売などを行う。 2022年からライター兼ミュージシャンとして独立。 「おひとりさまスクエアシリーズ」 「実力でぶん殴られたシリーズ」などを投稿